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5年間、30回のチャリティーライブ、「種からつなげよう」でみなさまからいただいた義援金は、半年ごとに精算し、自分で募金先を探し、hand to handでお渡ししてきました。
最終回の募金先を探しつつ、今まで募金してきた方々を訪ねる旅に出ました。電話やメールでのやり取りだけ、という方々もいたので、ぜひお顔を拝見してお話がしたかったのです。
まずは相馬。障がい者就労支援センター「もくもく」です。エアコン購入のヘルプをさせていただきました。
「あっついから。毎日使ってますよ。」
と言っていただき、ホントにうれしかったです。ちょこっと歌も歌わせていただきました。みんなの笑顔、ステキすぎました。
「原発、一度は見た方がいいですよ」と言われ、国道6号線を車で連れて行っていただきました。停車禁止。窓開け禁止。車の外に出るの厳禁。右手にフクイチの建物見えました。テレビでは見たことあったけど、実際身を置いてみるとこの空気感は、、、。ホントにまだ何も終わってない、、、。ゴーストタウンとなった国道6号線沿いを走りました。浪江では避難措置解除になりましたが、今までの長きにわたり手をつけられず、放置されたままの半壊家屋など、街のあちらこちらにありました。〔写真は放射能汚染物質を詰めた黒い袋。延々とこれが風景に積み重なってます。)
続いて石巻日日こども新聞。こちらはイギリスのケンブリッジで行われたイベントにこども記者達が参加し、その渡航費の一部に使用していただきました。
その模様を動画や写真で見せていただきました。頑張って英語でスピーチしてる子供達すてき。この体験はきっと未来に役立つはず。震災で多くの建物がなくなった街に住む彼らは、昔からの建物がいっぱい残っているイギリスにとても惹かれたとのことでした。
陸前高田では脳性麻痺だけど素晴らしい絵を描いている田崎飛鳥さんに会いにゆきました。絵の色調が鮮やかでエネルギーに溢れているのです。震災でそれまで描いていた絵を全部失い、そのショックで一時は絵が描けなくなったそうですが、ほどなく立ち直り、今も素晴らしい作品を生み出してらっしゃいます。彼のお母さんはパン屋をやってらっしゃって、そのパン屋と彼のアトリエをつなぐ回廊に募金を使っていただきました。
この日の夜は廃校をボランティア宿泊所に改装したところに泊まりました。他に泊まり客がほとんどいず、二階はほぼ貸し切り状態。「学校の怪談」とか「20世紀少年」の場面とか思い出しながら、布団にもぐり込んでました、、、、。でも、このアイディアはステキだな!ボランティアでなくても泊まれます。
それから大槌。エコたわしでお世話になってます。電気のつかない避難所で、ただじっと座ってるだけではつらいから、とアクリル毛糸で作り始めたエコたわし。海に生活を奪われたみなさんが、海を汚さないエコたわしを作っている。ここに感動してサポートをさせていただきました。みなさま、やっと全員仮設から引っ越しできるめどがつきました。なので、これをもって大槌エコたわしは解散します。みなさま、今までありがとうございました!とはいえ、まだ在庫があるのでそれはなくなるまで売ります。これから新しい生活を始める編み手のみなさまにもめちゃ必要な支援なのでどうか買ってください!
岩盤浴のお店、ゴロリンの店長さんにもお話を伺いました。プロパンガスも手がけてらっしゃるので、震災当時はそれはもう、何が何だかわからないくらい忙しかったそうです。ライフラインですものね。そしてそのうえに、ずっと街の人たちがのんびり、ゆったり過ごせる空間を作ってらっしゃいます。お人柄がそのままお店に表れていて、優しい空間です。今度ワタシも岩盤浴やってみたい!
それから釜石へ行き、最終回の募金先との打ち合わせ。きちんと決まったらまたHPでご報告しますね。
次の朝は大槌夢ハウスを訪ねました。ここに募金したお金でかき氷メイカーなどを購入していただきました。
「今、暑いから活躍してますよ!」
と言っていただきまたもや、うれしくなりました。以前の場所から移転して、すごく広くなりました。
「かくれんぼすると探しきれない!死角がありすぎて!」
とスタッフの方、仰って笑ってました。また経営母体も 社会福祉法人から大槌の父兄に移りました。
「もう、自分たちで切り盛りしていく時期に来てるんです。」
ああ、少しずつ、次のページに進んでるんだなあ。
それから「赤浜の復興を考える会」の会長、川口博美さんに再会しました。14メートルの防潮堤はもし決壊したら巨大なコンクリートの凶器になって襲いかかる。防潮堤に頼らず、みんな高台に引っ越すんだ、と住民のみなさまと話し合い、ここだけ、防潮堤は以前の高さのままにすることになりました。こちらではこの会合での暖房費や事務費用を募金から使用していただきました。彼も仮設から引っ越すめどが立ちました。ひょっこりひょうたん島が見下ろせる高台。
「海がどーんと見渡せるんだ。」
そう言って笑う彼の笑顔を見て涙が出そうになりました。海に最愛の家族をふたりも奪われた彼が海のよく見える場所に家を建てることを楽しみにしている。
どの人とお話ししても、そこには勇気のストーリーがありました。そのストーリーの中にワタシがわずかでも参加できたことに心から感謝したいです。
そしてそれを可能としたのは、ライブで募金していただいた皆さまの力です。もう一度言わせてください。本当にありがとうございました。
まだまだ盛り土が果てしなく広がっている大槌も、繁華街のメインストリートの道が一部よみがえり、わずかですが店舗も戻ってきました。
少しずつ,次へ。
東京では震災はもう終わった事項と考えられがちですが、現場を歩くと、まだ、なのです。
でも、何度か行きましたが、今回は初めて復興、を強く感じ取れる気がします。
「あんときは必死で、助けてもらってもお礼も満足に言える余裕がなかった。今度会ったらそのときはきちんとお礼を言いたいなあと思う人たちがいっぱいいます。でも、なかなか、今、ここに再び訪ねてくれる人はそう多くはないんです。だから、こうやってまた来てくれるとうれしいんです。」
という言葉が印象的でした。ありがたかったです。
地縁があるわけでもなく、出身地でもない、何も知らないよそ者のワタシを受け入れてくれて、さしだした手を温かく握り返してくれた人たちに、心より感謝します。
そして、東北の自然。本当に美しい。ほれぼれとするような山や海。運転しながら夢見ているような気持ちになる瞬間がたくさんありました。
これからも訪ねたいと思ってます。勇気のストーリーの続編を読みたいから。